■2006九州一人旅(6日目)



◆5/04(木) 天気:晴れ


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」





今の叫びはなんだ!?
驚いて目が覚めました。

なにやら外が騒がしい・・・・

なんということだ。
昨日ひたすら睡眠妨害をした連中を全員バイクの爆音で叩き起こしてやるつもりだったのに・・・
もう周りのテントは全て活動開始状態でした。。

屈辱的です。まさか逆に絶叫で叩き起こされるなんて。
昨日はかなり疲れていてお酒も飲んでたので、めざましアラームで起きることなく爆睡してました。
完全な敗北。子供は絶叫しながら飛び跳ねてますね・・・朝から元気なものです。



まず最初に行ったのはテントの移動。
結局今日もここに連泊しようと漠然と考えてたので、この喧騒から離れたところにテントを張ることにしました。

荷物をテントから全部出してペグを抜き去り、テントは畳まずにそのままずるずる・・・・と引っ張って安全なところへ。
周りをかなり囲まれているので、その間を縫うようにテントを移動させるのは大変でした。
自分のこの奇妙な行動に周りの家族たちも注目・・・・やりづらいです。。





テント移動後、元いた場所を撮影。
昨日の朝とは打って変わって驚異的なテントの数です。
朝もしっかり右のテーブルは占拠されてました。



移動先はこのファミリーキャンパーたちの喧騒も遠くていいポジションです。
隣のテントとも10mくらい離れてるのでいい感じ。

すると隣のテントから人が出てきました。
挨拶してちょっとお話したのですが、なんと彼もバイク乗り。しかもオフロードバイク。更にバイクはXRという共通点だらけの方でした。

確かにいつも、年式の古いXRがキャンプ場に停まってるのには気付いてたんですけど、まさかこのテントの方だったとは・・・
彼は私と同じ時期にこの人吉にたどり着き、私と同じようにここをベースキャンプにして周囲の林道を走ってるそうです。
ただ行動時間はかなりのんびりしてるらしいので、いつも私が先に出ちゃってて走ってるのに気付かなかったようです。



いろいろ情報を入手したので、今日の目的地が決まりました。
2日前は人吉の南側の林道を走りましたが、今日は人吉から北に行ったところにある林道群で修行です。

埼玉のTさんも起きてきたのでお話しました。
彼もここに連泊するらしいので、今日も時間が合えば飲みましょうってことに。

ここのキャンプ場は林道も温泉も近いし値段も安いしジャスコもあるし、とにかく便利なんですよね。
九州南部の中心地みたいなとこにあるから、日帰りで結構遠くまでいけるし。

でも、今日泊まれば自分4連泊ですよ・・・まさかこんな旅になるとは全く予想できませんでした。





9:45
キャンプ場の管理棟でもう一泊の手続きを終え、
やってきたのが「大規模林道菊池人吉線」です。
結局出発が遅くなり、もう10時前です・・・





このスーパー林道は残念ながら全舗装。
でも目的地はこの先にこそあるのです。





これは珍しい。
こんな奇妙な形の鉄塔は生まれて初めて見ました。
なんだか趣味に走ったような作りですが、2本鉄塔を建てるよりは安いんでしょうか?





この菊池人吉林道、付近の国道以上に整備されていて走りやすいです。
小高い丘があったので、ちょっと林道の風景とXRを撮影。
天気も快晴!今日は九州ツーリングで過ごしてきた日々の中で一番素晴らしい天気です。





目的地の1つである「アポロ峠に到着。
月面にアポロ11号が着陸する半日前に林道が開通したので「アポロ峠」と名づけたらしいです。



安易な・・・。



そのアポロ峠の碑のすぐそばにあるのが「瀬目林道」です。
途中から進入する形になったのですが、入り組んでいて分岐も多く、どれが本線だか全く分かりません。。





入り込んだのはいいんですが、落ちたらそのまま逝けるような崖が多く危険です。
この写真の場所も、さすがに本線じゃ無いだろうと思いつつも慎重に先へ進みましたが・・・やっぱり先は行き止まりでした。





ただ景色は開けているので遠くまで見渡すことが出来て開放感はたっぷりです。
迷ってますけど結構楽しい林道です。





ダンプも入り込んでいる林道のようなので、一部の幅員はとても広いです。
ただこれでもここは四叉路・・・・いったいどれが正解なんだ。





本線っぽい幅員が広い道を発見したので先に進みます。
GPSで見た方角もこれで合ってる気がします。





しかしがっくり行き止まり・・・・
元来た道を戻り、しらみつぶしに走ります。





10:50
林道脱出。最後はGPSの電子コンパスだけが頼りでした。
無事出れて一安心です。





しかし、舗装路に出てもなかなか荒れていますね。 山側の斜面が崩れて尖った石が散乱してます。





なんとアスファルトの路面も一部陥没してます!
この路面、下地が崩れやすいので大雨が降るとごっそり路面が崩れ落ちる可能性が大きいです。



この後県道161→国道445を経由して向かうのが「八原林道」です。





11:15
八原林道起点付近に到着。
林道看板が無いのでどこから起点なのかいまいち分からないのですが、R445から分岐したこの付近でしょう。





最初はひたすら上り。
ダートをひたすら駆け上がります。GPSを見ると起点付近は標高300m台だったのですが、気づいたら1000mを超えててびっくりでした。





するとそこには素晴らしい景色が。
今回のツーリングでは九州の林道を結構走ったほうだとは思いますが、この林道の展望は九州の林道の中では最高峰かもしれません。





しばらく進むと高度の上昇も落ち着き、木々の間を気持ちよく走るダートに変わります。





途中にはこんな廃車が・・・
車種は確認してませんが、昔の車ってカラーリングが凄いですよね。
これはもともとグリーン系の塗装だったようです。





立て続けにこんなものも発見。
いったい何年前のものなんでしょうか・・・・





展望は全体的に良好ですが、中でもこの写真の付近が最高でした。
景色だけでなく走りやすさも抜群です。勢いよく走りすぎると谷底に落下しますけど。





天気も景色も最高!ただ1000m級にもかかわらずかなり気温が高いです。
いつも来ているジャケットだと暑いので、1枚脱いで走ってました。





気づいたらもう昼です。
出発が遅かったせいか、まだ2本目の林道なんですけどここで昼食にします。
最高の景色を眺めながら食べられるのはとっても幸せです。
無駄に叫んで山彦が返ってくるのを楽しんだりしてました。

しかし、こんな素晴らしい林道なのにオフロードバイクは1台も通らず。
この林道に来ないなんてもったいないですよ。





おっと・・・途中で道を間違えてしまいました。
本線っぽい道のりを進んだはずなのに行き止まり。
スピード出してるときに踏んだらパンクしそうな鋭利な石がいっぱいです。





その後はぐんぐん高度を下げ、コンクリート舗装に変わりました。
とりあえずここで写真を1枚撮って、舗装境の写真を撮ろうとXRの後のほうへ向かって坂を上っていたら・・・・



後から物音が。
なんとXRがぶっ倒れています・・・・。
一応前に勝手に進まないようにギアを入れて停めておいたのに。。
まさか、ステップがちゃんとかかっていなかったのかも。





慌てて駆け寄りましたが、ふと思いとどまって写真を1枚。
ああ無残・・・としばしこの光景を見てましたが、よく見るとエンジン下部でXRが激しくお漏らししています。

これはやばい!!





粗相をしちゃった後の気まずい光景です。
幸いそれほど激しい漏らし方ではなかったので、ガソリン残量には余裕がありそうです。
でも左のナックルガードの根元が破損。見た目は問題無さそうですが根元のボルトをかましてある部分がちぎれました。

下り坂にバイクを停めるのは少し考え直したほうがよさそうです。





少し進むとまたダート区間が復活しました。
こんなことならちょこっとコンクリに変わったときに写真を撮る必要は無かったかも。
完全な転び損ですが、お漏らし写真が撮れたのでまあいいとしましょう。





今度こそ八原林道の終点です。
写真左に見えるトンネルは国道445号。トンネルを抜けると程なくして道の駅「子守唄の里五木」があります。



道の駅ではちょっとだけ休憩しましたが、ピカピカに磨き上げられたBMWやハーレー、その他オンロードバイク集団がいっぱいです。
なんとなくですが、林道オフロードライダーがこの中にいるとひどく場違いな気がします。

さて、国道445を北上し県道247へ。次の目的地である小別峠に向かいます。





14:00
県道247沿いの小別峠にある「小別峠林道」に到着です。
意外と時間の経過が早くてちょっとびっくりです。





林道内は終始こんな景色。遠くへの展望はゼロです。
どこで写真を撮っても同じなので、久しぶりに写真を撮らずに走りのみを楽しみました。





子別峠林道終点に到着。
ダート5kmはあっという間な感じですね。手軽にダートを楽しむには十分な距離ですが、ここまで来る道のりがぜんぜん手軽じゃないのが残念。





そして、近くにある白谷林道にも来てみました。
しかしなんとこの林道舗装されています。地図だとまだ未舗装扱いだったんですけどね・・・・
それにしても、杭には終点と書かれてるのに看板には起点・・・どっちだよ。





無念・・・まだ舗装が新しいです。
雰囲気にしてここ数ヶ月以内に行われた舗装のように見えます。
九州の林道も着々と舗装化が進みつつあるようですね。残念・・・。





14:45
白谷林道は、終点まで全舗装の何の変哲も無い林道になってました。
県道243にリカバリーしたので、ここからはまた新たな林道を求めることにします。
残り時間を考えると、そうそう多くの林道を周ることは出来ないかも。
周囲の林道を効率的に周りたいと思います。





15:05
県道243で子別峠に戻り西へ。
やってきたのがここ「横谷林道」です。





横谷林道はそこそこ走りやすいダートだったのですが、途中で分岐している「大通越林道」に注目してみました。
地図には「尾根を走る快適ダート」と書かれてたのでこちらのルートをチョイス。
左へ曲がり大通越林道に入ります。どうやら横谷林道と平行に走っている林道のようです。





大きな落石ががごろついてるのが気になりますが気にせず先へ。
起伏はあるもののなかなか楽しい林道です。





静かな尾根伝いにのんびり走ります。
自然を体中で満喫出来て気持ちがいいですね。





終点での1枚。
主要地方道25号の旧道、大通越の展望台近くに出てきます。
横谷林道を走ってた部分も合わせて9km弱の快適ダートでした。



そのまま南へ・・・
主要道25→県道259と乗り継ぎ、近くにある「林道アザミ谷線」へ向かいます。
この林道は今日の朝話してたXRライダーのお勧めらしいので、かなり楽しみです。





15:50
県道259を走行中。
この地味なT字路がアザミ谷線の基点です。





超簡易的な林道看板。
九州で多く見られる緑色の林道看板はありませんでした。





T字路曲がってすぐのこの橋を越えると、早速ダートが始まります。





しかしここはコンクリート舗装。
どでかいパイプがありますがこれはいったい何??

近くに内谷ダムがあるのですが、それに関連したパイプなのかも。
水が流れてるのかな?それとも電線の集まり??





幅員、路面共に問題なし。非常に快適なダートです。
ただ、連日の長距離走行でXRのブロックタイヤの減り具合が激しいです。
決して極端な話ではなく、日に日にリアタイヤが減っていくのが分かります。
なので、発進時は少しアクセルひねるだけでリアがずるずるずる・・・・

なんだか楽しくなってきたので、無駄にリアを空転させて発進して遊びまくってました。
どうせこの旅が終わったらタイヤ交換する予定なので、もうどれだけ磨り減ろうと問題ありません。





鬱蒼とした中を快走します。
ストレートも長く、ハイスピードでダート走行を楽しめます。
かなり気持ちいいです。





ちょっと支線っぽい場所に入ってきましたが、
路面は問題ないものの倒木がそのまま放置されたりしてますね。





そして程なく行き止まり・・・。
さあ戻ろうかと思いましたが、奥のほうに看板を見つけました。





うげっ!!まじっすか!?



激しく「マムシ注意」と書かれてる割にはずいぶんかわいいマムシですね。危険な感じが全く伝わってきません。
それ以上に気になるのが右のカエルの存在です。・・・・なんで手ぇ振ってんねん。





支線を戻ってくる途中です。
本線とは明らかに異なった雰囲気ですね。





本線にリカバリー。ここからは見えませんが内谷ダムにやってきました。
この林道は内谷ダムを一周することが出来る、素晴らしい周回コースつきの林道なのです。
とりあえず時計回りに周ろうと思ったので左折します。





ダムの周辺はとにかく楽しい!
急コーナーの連続なので、ダートでのコーナリング練習にはもってこいです。
でも、自分は体重移動が下手なのかタイヤが減り過ぎてるのか、または両方の理由なのか・・・
分かりませんがリーンアウトでコーナーを曲がろうとしても、すぐイン側に倒れそうになってしまいます。
慌てて足を着いて無理やり立て直すのですが、トレッキングシューズにこの衝撃はでかすぎる・・・足が痛くなっちゃいました。





路面はフラットですが、所々こんな水溜りが出現します。
調子に乗ってコーナーを立ち上がるともう避けきれず・・・何度か正面から水溜りに突っ込みました。
おかげでせっかく昨夜汚れを落としたジーンズもまた泥水玉模様。。





あとは、所々でXRの記念撮影ばかり行ってました。





内谷ダムを背景にして1枚・・・ピンボケしまくり。。





ダムの北側は舗装路になってたのですが、この場所は結構びっくりです。
法面が派手に崩壊してて、こうして撮影してる間にも小さく崩れ落ちてきます。
写真を撮ったらさっさとこの場を撤収です。



どこがアザミ谷線の終点かは分かりませんでしたが、いつの間にか県道259に帰ってきました。
そろそろキャンプ場に戻ろうかと思いましたが、すぐそばに「林道内谷線」があったのでそちらにも立ち寄ることに。
内谷線は地図を見ると行き止ま林道ですが、このちょっとした時間で寄るにはいい感じの短い距離だったので。





16:45
林道内谷線の起点にて。
進入時の写真を撮り忘れてしまったので、行き止まりから帰って来た時の写真を使用してます。
起点の雰囲気はアザミ谷線とほとんど同じような感じです。





わだちの部分以外には草が生えていて、アザミ谷線と比べてほとんど交通量が無い雰囲気がうかがえます。
アザミ谷線でも誰ともすれ違いませんでしたが・・・





進入してから2kmほどで行き止まり。
路面はそれほど荒れていないものの、途中にくぼみが多くがたつく場所がありました。



そして帰り道・・・60km/hくらいで林道を飛ばしてたら、いきなり目の前に大きなくぼみが。
行きは全く気づきませんでしたが、帰りに見事に突撃しちゃいました。
前輪がくぼみに突っ込みましたが、底にははまらず大バウンド。



あまりにも激しい衝撃にパンクでもするかと思いましたが、オフロードバイクのフロントのサスペンション恐るべし。
何事も無かったように走り出しました・・・。



さて、そろそろ人吉に帰りましょう。
今日はキャンプ場に着いてからやらねばならぬことがあるのです。





18:00
国道445号を走って人吉に戻ってきました。
明るいうちに帰って来れたのは初めてですね。

テントはこんな端っこのほうに設営しなおしたので、今日はしっかり熟睡できそうです。





ちなみに、昨日テントを設営してた場所を向いてみる。

恐ろしい数のファミリーキャンパーです。
昨日はあのど真ん中で一人寝てたのでとんでもない騒ぎでした。



さて、周りのライダーたちは出払ってるようですね。
自分はそろそろ洗濯物が溜まってきたのでコインランドリーへ。
洗濯と乾燥の合間にホームセンターに向かい、数日前に林道で大破したプラケースの補修をまた行いました。
明日は荷物を積んで人吉を後にするので、しっかり直しておかないと荷物が箱から抜け落ちちゃいますからね。



洗濯を終えキャンプ場に戻るともう真っ暗です。昨日一緒に飲んだ埼玉のTさんも隣のテントのXRさんも戻ってきてました。
帰りが遅い自分のことをちょっと心配してくれたようで感謝です。自分が一番早く戻ってきてたんですけどね。

Tさんと飯を食って温泉へ行き、更に隣のテントのXRさんとその他一人・・・4人で飲んでから就寝です。



さて・・・
あと九州にいられる日数も2日間を残すのみとなりました。
林道修行も旧道廃道探索もそれなりに行ったので、明日からは爽やかにオンロードツーリング予定。
天気も良いみたいなので明日は阿蘇にリベンジします。



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